いわゆる同族会社のような場合、株主総会を開催するといっても実際には開催せず、書類だけ作成して済ませることが多いと言われています。
それだけならまだしも、実際には稼働していない親族を役員に選任して登記をしていることもままあります。そして、その親族が亡くなった後も、そのままずっと登記を放置しているような場合もあるとか。
その後、相続などで株式を取得した者が改めて株主総会を開催し、新しい役員を選任して登記をします。そのときに、新しい役員登記をする際、前回までに役員登記されてから十数年が経過していることが発覚します。

このようなときに、いきなり裁判所から、役員の選任懈怠や登記懈怠などを理由に過料(数万~10万円が多いです)という制裁が科されることがあります。
これは、会社の役員登記は常に最新かつ真正な内容にしなければならず、それを怠った場合には一定金額の支払いを命じることで、会社の登記の信頼性を確保しようとする趣旨であると解されます。

この裁判所の決定ですが、ベルトコンベアー式に進められるようで、経緯は勘案されずに事情聴取もされないまま、形式的に年数が空いていれば裁判所からの決定が出されるというのが通例です。恐らくですが、新しい役員登記をすることで一定年数が空いていることが法務局に発覚し、ほぼ自動的に法務局から裁判所に連絡がいって決定を下しているものと思われます。
そして、過料の支払いを保留にしていると、検察事務官が徴収に来るそうです。

ただ、登記ができなかった正当な理由がある場合には、この決定を取り消すことができます。この場合、裁判所から通知が来てから1週間以内に異議の申立てをしなければなりません。
単純に忘れていたといった理由で登記を放置していたような場合は異議は認められませんが、例えば株式の遺産分割協議が長引いて誰が株主が確定せず株主総会が開催できなかったような場合には異議が認められ得ると考えられます。

<a href="http://kuzunohalo.blog.fc2.com/"><img class="alignnone size-full wp-image-22" src="http://www.kuzunoha-law.jp/wp3/wp-content/uploads/2017/02/btn_blog.png" alt="弁護士ブログ" width="280" height="90" /></a>