離婚に有利な別居の始め方とは?|財産分与で損をしないために

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別居の開始が重要となるポイント

離婚問題において別居の開始時期は2つの面で重要なポイントとなります。

1つ目は、別居期間の開始時期です。これは、別居の継続を離婚原因とする場合に、いつから別居が始まったのかを明らかにする必要があります。

2つ目は、財産分与の算定です。財産分与は原則として別居時点に存在していた財産を対象として分与額を計算します。よって、別居時期が明らかにならなければ、財産分与の正確な算定ができないこととなります。

別居の開始と預金の財産分与

財産分与でいうと、別居時点の預貯金残高を基準として分与額を算定します。

したがって、分与する側(一般的には夫側)からすると、給与や賞与の支給日やその直後に別居すると、預金残高が一時的に多くなるため不利となります。

そのため、支給日直前または多額の支出の予定があるのであれば支出が済んで預金残高が減ってから別居するのが有利となります。

逆に、分与される側(一般的には妻側)からすると、配偶者(夫)の給与や賞与の支給日またはその直後に別居を開始するのが有利となります。

ただ、これはあくまで目安です。

実際の預貯金残高は給与だけで上下するわけではありませんし、預貯金以外の財産もあるのでそれだけで別居日を決めるのが必ずしも得策になるとは限りません。

別居の開始前にすべきこと

財産分与ではお互いに通帳等の資料を開示することになります。

しかし、本当に相手方が全ての資料を開示しているのか疑わしいことがあります。

実際、一部の口座の通帳しか開示せず、「他にも〇〇銀行の口座があったはずだ」と指摘してから追加で通帳が開示されるということも多いです。

そのため、別居前つまり同居している間に、可能であれば相手方の通帳等について確認しておくことが望ましいです。

その際、残高まで確認できなくとも、どの銀行の通帳があるかスマートフォンで撮影するなりしておくと、後で相手方が口座を隠すことを防止する効果があります。

まとめ

別居を開始するときは、

預貯金の残高が自分にとって有利な時期になるようにする。
別居前に相手方の財産資料について何があるか撮影しておく。

の2点に留意すると、離婚で不利になる可能性を低くすることができます。


この記事の執筆者

東京・大阪の二大都市で勤務弁護士の経験を積んだ後、
2008年から実務修習地の札幌で葛葉法律事務所を開設。
相続、離婚、交通事故、会社間の訴訟の取扱いが多め。
弁護士歴約20年。

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