相手が離婚に応じない場合の進め方|離婚するためにまずやるべきこととは?

自分が「離婚したい」といっても、相手がすんなり応じてくれるとは限りません。
それは、慰謝料や養育費などの離婚条件が折り合わないからという理由ではなく、そもそもとして「どうしても離婚したくない」という理由のケースもあります。
相手が「どうしても離婚したくない」という場合に、離婚に向けて進めるにはどのようにするべきかについて説明します。

目次

離婚原因がある場合

相手が不倫したなどの明確な離婚原因があるのであれば、離婚を請求することに困難はありません。
それでも相手が離婚に応じないのであれば、さっさと調停や訴訟に移行する方が最終的な解決は早くなります。
そして、いずれ離婚する際には別居することになるので、別居も始めてしまうのが良いでしょう。

離婚原因がない場合

不倫などの離婚原因がない場合、そのままでは相手が応じない限り離婚はできません。
そのようなときは、まず何よりも別居をすることから始める必要があります。

というのも、別居が一定期間続くと、それ自体が「婚姻を継続し難い事由」という離婚原因になると考えられているからです。
これは、ある程度別居していれば夫婦として破綻していると客観的に判断できるという理由によります。
つまり、離婚原因がないのであれば、別居することによって離婚原因を作り出すわけです。

とはいえ、一週間や一ヶ月くらい別居しただけでは夫婦として破綻しているとまではみなされません。
そうするとどの程度の別居期間が必要となるかが問題となります。
しかし、これについては明確な決まりはないので、最終的には離婚裁判を担当する裁判官の判断次第になります。
ただ、一般的には2~3年と言われることが多く、早ければ1年程度の別居でも離婚が認められるということもあります。

自分から別居すると不利になる?

自分から別居をしたとしても、それだけで慰謝料の支払義務が生じたり有責配偶者とされたりすることは原則としてありません。
これは、夫婦には同居義務がありますが、それは法律によって強制できるほどの強い義務ではなく、性格の不一致等で別居することもやむを得ないと考えられいるからだと思われます。

よって、離婚するために別居をしても不利になるということはありません。
むしろ、別居期間を蓄積するという観点からすれば、早めに別居した方が有利になります。

まとめ

早く離婚したいなら、何よりもまず別居する。これが鉄則です。
別居は、実家に戻るのでもいいですし、新しく物件を借りて引っ越すのでも問題ありません。
別居することで、離婚に応じなかった相手も本気度を悟って、離婚に向けて話が進むという効果もあります。
離婚に必要な別居期間は2~3年程度、早ければ1年程度が目安となります。

別居した次は、婚姻費用の請求や家庭裁判所への調停などに進むことを検討することになります。
また、細かいことを言えば、後々の財産分与の請求を考えれば、別居する際に気を付けるべきポイントもあります。
したがって、離婚したいと考えるなら、早めに弁護士に相談し、別居についてもアドバイスを貰うことをお勧めします。


この記事の執筆者

東京・大阪の二大都市で勤務弁護士の経験を積んだ後、
2008年から実務修習地の札幌で葛葉法律事務所を開設。
相続、離婚、交通事故、会社間の訴訟の取扱いが多め。
弁護士歴約20年。

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