【2026年最新版】離婚の種類と手続きを完全解説!共同親権導入でどう変わる?

「離婚したいけれど、何から始めればいいのかわからない」

「裁判とか調停とか聞くけれど、どう違うの?」

「2026年から法律が変わると聞いたけれど、私の場合はどうなる?」

夫婦関係に行き詰まりを感じたとき、このような疑問を持つ方は非常に多いです。

日本の離婚手続きには、大きく分けて**「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つの種類**があります。

さらに、2026年(令和8年)4月1日からは、民法改正により「共同親権」の導入や「法定養育費」の新設など、離婚のルールが劇的に変化します。 これを知らずに進めてしまうと、後になって取り返しがつかないことになる可能性があります。

この記事では、弁護士が最新の法律に基づいて、離婚の3つの種類と、法改正による重要な変更点を分かりやすく解説します。

目次

1. 【重要】2026年4月から離婚のルールが変わります

これまでの常識だった「離婚=どちらか一方が親権を持つ」というルールが、2026年4月1日から大きく変わります。手続きの解説に入る前に、まず押さえておくべき変更点は以下の3つです。

① 共同親権が選べるようになります

これまでは単独親権(父か母のどちらか一方)しか認められていませんでしたが、改正後は夫婦の話し合いで「共同親権(父母双方が親権者)」を選ぶことが可能になります。 ただし、DVや虐待がある場合など、共同で親権を行うことが難しいと裁判所が判断した場合は、必ず「単独親権」となります。

② 養育費の確保がしやすくなります

取り決めをせずに離婚してしまった場合でも、法律で定められた最低限の金額(法定養育費)を請求できる権利が認められます。また、不払いが発生した場合に、他の借金よりも優先して回収できる権利(先取特権)が付与されました。

③ 財産分与の請求期間が5年に延長

離婚後に「やっぱり財産分与を請求したい」と思った場合、これまでは離婚から2年以内に行う必要がありましたが、これが「5年」に延長されます。

2. 日本の離婚手続きは大きく分けて3種類

日本の離婚手続きは、基本的に以下のステップで進んでいきます。

  1. まずは夫婦で話し合う( 協議
  2. まとまらなければ裁判所で話し合う( 調停
  3. それでもダメなら裁判所が決める( 裁判

いきなり裁判を起こすことは原則としてできません(調停前置主義)。

※ただし、相手が行方不明の場合など、話し合いが不可能な事情がある場合には、例外的にすぐ裁判を起こせることもあります。

まずは、3つの方法の全体像を比較表で確認しましょう。

離婚手続き比較表(2026年版)

項目協議離婚調停離婚裁判離婚
割合全体の約88%全体の約8%全体の約2%(和解含む)
決め方夫婦の合意調停委員を介した合意判決 または 和解
場所役所(離婚届の提出)家庭裁判所家庭裁判所
親権単独 または 共同単独 または 共同裁判官の判断(DV等は単独)
期間目安即日〜数ヶ月半年〜1年程度1年〜2年程度
費用目安低い(実費のみ)中程度(数千円〜)高い(弁護士費用等)

3. 協議離婚:夫婦の話し合いで決める

協議離婚は、日本で最も一般的な離婚方法です。

夫婦で話し合い、お互いが離婚に合意して、役所に離婚届を提出すれば成立します。

協議離婚の特徴

  • 裁判所を利用せず、当事者だけで解決する。
  • 離婚理由は何でも良い(性格の不一致など)。
  • 2026年4月からは、夫婦の合意により「共同親権」を選択することも可能です。

メリットとデメリット

メリットデメリット
手続きが簡単
離婚届を出すだけで成立する。
条件が曖昧になりがち
養育費や財産分与をあやふやにしたまま離婚してしまうリスクがある。
費用がかからない
役所への手数料なども不要。
後でトラブルになりやすい
口約束だけで終わらせると、約束が守られないことが多い。
プライバシーが守られる
誰にも知られずに進められる。
長引くことがある
相手が同意しないと、いつまでも平行線になる。

【重要】協議離婚での注意点(改正法対応)

協議離婚をする際は、必ず「離婚協議書」を作成し、養育費など長期にわたる支払いがある場合には「公正証書」にすることをおすすめします。

法改正により「法定養育費」制度ができましたが、これはあくまで最低限のセーフティネットです。教育費や生活水準に合わせた適切な養育費を確保し、支払いが滞ったときにすぐに給料の差し押さえ(強制執行)をするためには、これまで通り公正証書の作成が不可欠です。

決めておくべき項目

  • 親権(共同親権にするか、単独親権にするか)
  • 養育費(金額・支払期間・支払方法)
  • 面会交流(頻度・方法)
  • 財産分与(預貯金・不動産・保険など)
  • 慰謝料(不貞行為などがある場合)
  • 年金分割

4. 調停離婚:家庭裁判所で話し合う

夫婦だけでの話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てます。

裁判官と、民間から選ばれた「調停委員(男女1名ずつ)」が間に入り、話し合いを進めます。

子どもの親権や面会交流が問題となる場合は、さらに「調査官」が立ち会うこともあります。

調停離婚の特徴

  • 裁判所で行うが、「裁判」ではなくあくまで「話し合い」。
  • 調停委員が交互に言い分を聞くため、相手と直接顔を合わせることは基本的にない。
  • ウェブ会議システムなどを利用し、裁判所に行かずに手続きに参加できるケースが増えています(遠方の相手との離婚などで有効)。

メリットとデメリット

メリットデメリット
冷静に話し合える
第三者が入ることで、感情的な対立を緩和できる。
手間と時間がかかる
平日の日中に手続きを行う必要があり、月1回程度のペースで進む。
相手と会わずに済む
控室も別々になっており、接触を避けられる。
合意できなければ不成立
強制力はないため、相手が拒否し続ければ離婚できない。
費用が比較的安い
申立手数料は数千円程度。
解決しないこともある
不成立の場合は、協議に戻るか、裁判に進むことになる。

5. 裁判離婚:判決または和解で決める

調停でも話がまとまらなかった(調停不成立)場合に、家庭裁判所に訴訟を提起します。

これまでの「話し合い」とは異なり、お互いが主張と証拠を出し合い、最終的に裁判所が判断を下します。

裁判離婚の特徴

  • 法律上の「離婚原因」が必要になる。
  • 手続きが複雑で専門知識が必要なため、弁護士への依頼がほぼ必須。
  • 「和解離婚」の活用:裁判を起こしても、必ず判決まで行くわけではありません。裁判官からの勧告により、お互いが譲歩して話し合いで終わらせる「和解離婚」も非常に多く行われています。和解であれば、判決よりも柔軟な解決が可能です。

法定離婚事由(民法770条)

裁判で離婚が認められるには、以下の5つのうちいずれかの理由が必要です。

  1. 不貞行為 (浮気・不倫)
  2. 悪意の遺棄 (生活費を渡さない、家出を繰り返すなど)
  3. 3年以上の生死不明
  4. 強度の精神病で回復の見込みがない
  5. その他、婚姻を継続しがたい重大な事由 (DV、モラハラ、長期間の別居など)

プライバシーへの配慮(DV事案など)

DV(ドメスティック・バイオレンス)の事案などでは、法改正により被害者の保護が強化されています。

住所や氏名を相手に知られないようにする「秘匿措置」を利用したり、尋問を非公開にしたりすることで、安全に裁判手続きを進められるようになっています。

6. あなたはどのタイプ?状況別・離婚方法の選び方

ご自身の状況に合わせて、どの方法を選択すべきかの目安をまとめました。

ケースA:相手も離婚に同意しており、条件面でも揉めていない

推奨:協議離婚

ただし、後々のトラブルを防ぐため、離婚協議書(公正証書)の作成は忘れずに行いましょう。親権を共同にするか単独にするかも明確に決める必要があります。

ケースB:相手が離婚に反対している、または条件(親権やお金)で揉めている

推奨:調停離婚

当事者同士では解決が難しいため、調停委員という第三者を入れるのが賢明です。

ケースC:相手がDVを行っている

推奨:弁護士相談を経て、調停または裁判(住所秘匿の利用)

DVがある場合、身の安全を確保することが最優先です。直接交渉は危険ですので避けてください。

また、DV事案では改正法下でも「単独親権」となります。 共同親権を強制される心配はありませんので、安心して専門家にご相談ください。

ケースD:不倫の証拠があり、慰謝料を請求して確実に離婚したい

推奨:弁護士を代理人にした協議、または裁判

証拠の有効性や慰謝料の相場判断が必要なため、専門家の介入が効果的です。

まとめと次のステップ

この記事では、3つの離婚の種類と、2026年の法改正による変更点について解説しました。

  • 協議離婚 :夫婦の話し合いで決める(共同親権も選択可能)
  • 調停離婚 :裁判所で調停委員を交えて話し合う(ウェブ会議も活用)
  • 裁判離婚 :裁判官が判決、または和解で決める(和解での解決も多い)

2026年4月からの新制度により、選択肢が増えた一方で、判断すべき項目も複雑になっています。

「うちは共同親権と単独親権、どちらがいいのか?」

「新しい法律で、養育費はいくらもらえるのか?」

といった疑問は、個別の事情によって答えが異なります。

もし少しでもご不安な点があれば、お一人で悩まずに、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

葛葉法律事務所では、初回相談を無料で承っております。あなたのお悩みに寄り添い、最新の法律に基づいた最適な解決策をご提案いたします。

この記事の執筆者

東京・大阪の二大都市で勤務弁護士の経験を積んだ後、2008年から実務修習地の札幌で葛葉法律事務所を開設。相続、離婚、交通事故、会社間の訴訟の取扱いが多め。弁護士歴約20年。
【メディア掲載歴】
・「法律事務所ガイドブック2013 頼れる身近な弁護士」(游学社)
・「財界さっぽろ」2021年12月号・特集記事【成功する経営者は士業を使う】
・「anan」2038号・特集記事【仕事も私生活も、身近な「困った」に頼れる!法律のエキスパート】

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