【札幌 相続手続きの相談窓口】完全ガイド|区役所から法務局、税務署、弁護士会まで全部解説

ご家族が亡くなられた後、相続手続きを進めようにも、「一体どこに、何を相談すればいいのか分からない」と途方に暮れてしまう方は少なくありません。

相続の手続きは、戸籍の収集から財産の名義変更、税金の申告まで多岐にわたり、それぞれ担当する窓口が異なります。

この記事では、札幌市にお住まいの方が相続手続きで迷わないよう、あらゆる相談窓口の役割と、ご自身の悩みに合った最適な相談先の選び方を、網羅的に解説します。

目次

相続の悩み別|あなたが行くべき相談窓口はここ!早見表

まず初めに、あなたの今のお悩みに合った相談先がひと目で分かる早見表をご紹介します。

こんなことで悩んでいる…おすすめの相談窓口
何から手をつけていいか全く分からない
手続きの全体像を知りたい
区役所・市役所
法律事務所(弁護士)
不動産(土地・建物)の名義変更をしたい
遺言書の保管制度について知りたい
法務局
司法書士事務所
相続税がかかるか知りたい
相続税の申告方法を聞きたい
税務署
税理士事務所
亡くなった家族の年金の手続きがしたい (遺族年金など)年金事務所
遺産の分け方で揉めている
他の相続人と交渉してほしい
法律事務所(弁護士)
遺言書や相続放棄の手続きで困っている家庭裁判所 法律事務所(弁護士)

【無料相談の基本】札幌市の区役所・市役所の市民相談

最も身近な相談窓口が、お住まいの区役所や札幌市役所で行われている無料の市民相談です。

できること

  • 相続手続きの一般的な流れについての案内
  • 必要な手続きや書類に関する基本的な説明
  • 弁護士や司法書士など、専門家による無料法律相談の実施(予約制・日時限定)

できないこと

  • 個別の具体的な法律判断やアドバイス
  • 遺産分割協議書などの書類作成の代行
  • 相続人間のトラブルの仲裁

区役所は、あくまで手続きの入口として「次に何をすべきか」を知るための場所です。ただし、専門家相談は1人20分程度と時間が非常に短く、予約も相談日当日の朝の電話受付ですぐに定員に達してしまうことが多いのが実情です。じっくり相談したい場合は、法律事務所の利用を検討しましょう。

【相続登記・遺言書】札幌法務局

不動産(土地・建物)の相続手続きにおいて、中心的な役割を果たすのが法務局です。

できること

  • 不動産の権利関係が記録された登記事項証明書(登記簿謄本)の取得
  • 自筆証書遺言の保管制度の利用申込み
  • 相続登記(不動産の名義変更)に関する手続き相談(登記手続案内)

できないこと

  • 遺産分割協議の内容に関する相談
  • 登記申請書の作成代行や、提出書類の事前チェック
  • 相続人間のトラブルに関する相談

法務局の「登記手続案内」は予約制で、相談時間も1回20分程度と限られています。あくまで一般的な手続きの説明であり、申請書の内容を事前に審査してくれるわけではないため、確実な手続きを望む場合は専門家への依頼が賢明です。

【重要】2024年4月1日から相続登記が義務化されました

これまで任意だった相続登記が、2024年4月1日から法律上の義務となりました。この法改正は、所有者不明土地問題を解決することを目的としており、過去に発生した相続にも適用されるため、すべての方が対象となります。

ポイント1:期限は「知った日から3年以内」

不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。この義務は過去の相続にも遡って適用され、

2024年3月31日以前に開始した相続については、2027年3月31日が申請期限となります。また、遺産分割協議が成立した場合は、その日から3年以内に内容に沿った登記が必要です。

ポイント2:怠ると「10万円以下の過料」の可能性

正当な理由なく登記義務を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。過料を支払っても登記義務がなくなるわけではありません。

ポイント3:期限に間に合わない場合の「相続人申告登記」制度

3年以内に遺産分割協議がまとまらない等の事情がある場合、相続人が単独で「自分が相続人である」旨を申し出る「相続人申告登記」という簡易な手続きを利用することで、ひとまず登記義務を履行したとみなされます。ただし、これは一時的な措置であり、遺産分割成立後には改めて正式な登記が必要です。

【相続税の申告】札幌の各税務署

相続財産の総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告が必要です。

できること

  • 相続税に関する一般的な電話・面接相談
  • 相続税申告書の用紙の入手や、書き方の簡単な説明

できないこと

  • 個別の具体的な節税対策に関するアドバイス
  • 申告書の作成代行
  • 遺産分割協議の内容に関する相談

税務署の役割はあくまで適正な申告と納税を指導することにあり、二次相続まで見据えた遺産分割案の提案など、個別の事情に応じた戦略的な節税対策を助言することはありません。節税まで含めて検討したい場合は、税理士に相談しましょう。

【年金関係の手続き】札幌の年金事務所

亡くなった方が年金を受給していた場合や、遺族が年金を受け取れる可能性がある場合の手続き窓口です。

できること

  • 未支給年金の請求手続き相談
  • 遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)の請求手続き相談
  • 死亡届の提出

できないこと

  • 年金以外の遺産相続に関する一切の相談

専門家からのワンポイント・アドバイス

遺族年金や未支給年金は、相続財産ではなく受取人である遺族固有の財産とされています。そのため、原則として遺産分割の対象にならず、相続税もかかりません。また、相続放棄をした場合でも受け取ることが可能です。これは非常に重要な知識ですので、覚えておきましょう。

【専門家への相談】弁護士・司法書士・税理士の違いと選び方

公的機関では解決できない具体的な手続きやトラブルは、法律や税金の専門家に相談する必要があります。それぞれの専門家の役割を正しく理解しましょう。

専門家主な役割と特徴
司法書士不動産登記の専門家。相続登記(不動産の名義変更)の申請代理を主な業務とします。遺産分割協議書の作成も可能ですが、紛争の目的となる個々の相続人の取得分の価額が140万円を超える案件では、代理人として交渉や調停・訴訟を行うことは法律で認められていません
税理士相続税の専門家。相続税の計算や申告書の作成代理を主な業務とします。遺産分割が相続税に与える影響についてアドバイスができますが、法律トラブルには介入できません。
弁護士相続トラブル解決の唯一の専門家。法律に基づき、ご依頼者様の代理人として他の相続人と交渉したり、遺産分割調停や審判の手続きを行ったりできます。取り扱う事件の金額や内容に一切の制限がなく、相続に関するあらゆる紛争を扱える唯一の資格です。

なぜ、もめる可能性があるなら最初から弁護士なのか?

相続では、当初は円満に進むと思われた協議が、些細な感情のもつれから紛争に発展するケースが少なくありません。

もし司法書士に依頼した後に紛争が深刻化し、その価額が140万円を超えた場合、依頼者は改めて弁護士を探し、依頼し直さなければなりません。これは時間と費用の二重の負担となります。この「途中での乗り換えリスク」を避けるためにも、少しでも揉める可能性があるなら、初めから交渉から訴訟まで一貫して代理できる弁護士に相談することが、結果的に最もスムーズで安心な解決への近道です。

【トラブル発生時】札幌弁護士会の法律相談センター

「いきなり法律事務所に電話するのは敷居が高い…」という方は、札幌弁護士会が運営する法律相談センターを利用するのも一つの方法です。

  • 名称: 札幌法律相談センター
  • 所在地: 札幌市中央区北1条西10丁目 札幌弁護士会館2F
  • 予約電話: 011-251-7730

相談は原則として有料ですが、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる資力要件を満たす場合には無料となることもあります 2。料金体系や予約方法の詳細は、必ず事前に札幌弁護士会の公式サイトでご確認いただくか、直接お電話でお問い合わせください。

弁護士会の相談は、担当弁護士を指名できず、その場限りのアドバイスに留まることが多いです。ご自身の代理人として最後まで責任を持って伴走する弁護士をお探しの場合は、ぜひ当事務所の初回相談をご利用ください。

結論:お悩みやトラブルをワンストップで解決したいなら法律事務所へ

ここまで見てきたように、相続手続きの相談窓口は多岐にわたります。

  • 「手続きの概要だけ知りたい」→ 区役所
  • 「不動産の名義変更だけ頼みたい(争いがない)」→ 司法書士
  • 「相続税の申告だけ頼みたい」→ 税理士

しかし、「遺産の分け方で揉めている」「他の相続人と話したくない」「手続きが複雑で、全部まとめて誰かに任せたい」という場合は、弁護士に相談するのが最適解です。

弁護士は、他の専門家(司法書士や税理士)と連携しながら、相続に関するあらゆる問題をワンストップでサポートできる場合もあります。

  • 戸籍収集による相続人の確定調査
  • 不動産、預貯金、有価証券等の相続財産調査
  • 遺産分割協議書の作成および相手方との交渉
  • 家庭裁判所における遺産分割調停・審判の代理
  • 相続放棄・限定承認の申述手続き
  • 遺留分侵害額請求の交渉・訴訟
  • 提携司法書士による相続登記(不動産名義変更)
  • 提携税理士による相続税申告のコーディネート

各窓口を回るのは大変…」「すでに揉めていて、どこに相談していいかわからない…」そんな方は、ぜひ葛葉法律事務所にご相談ください。

まとめと次のステップ

相続手続きは、ご自身の状況や悩みの段階に応じて、適切な相談窓口を選ぶことがスムーズな解決への鍵となります。

まずは無料相談などを活用して情報収集を行い、もし相続人間での対立がある、あるいはその可能性がある場合には、紛争解決の専門家である弁護士への相談を強くお勧めします。

この記事で解説した内容は、あくまで一般的なケースです。

個別の状況によっては、より複雑な手続きや判断が必要になることも少なくありません。

もし少しでもご不安な点があれば、お一人で悩まずに、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

葛葉法律事務所では、初回相談を無料で承っております。

あなたのお悩みに寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。

まずはお気軽にお問い合わせください。

監修:葛葉法律事務所

この記事の執筆者

東京・大阪の二大都市で勤務弁護士の経験を積んだ後、2008年から実務修習地の札幌で葛葉法律事務所を開設。相続、離婚、交通事故、会社間の訴訟の取扱いが多め。弁護士歴約20年。
【メディア掲載歴】
・「法律事務所ガイドブック2013 頼れる身近な弁護士」(游学社)
・「財界さっぽろ」2021年12月号・特集記事【成功する経営者は士業を使う】
・「anan」2038号・特集記事【仕事も私生活も、身近な「困った」に頼れる!法律のエキスパート】

目次