札幌市内の法律事務所の分布

 「厚別区 弁護士」や「南区 弁護士」といったワードで検索して当事務所のサイトに来られる方がいらっしゃいます。
 恐らくご自分の近所に弁護士がいないかということで「~区」というキーワードを使用されていることかと思います。

 しかし、実は札幌では、中央区以外にはほとんど弁護士はいません。
 もっというと、札幌市内の弁護士の恐らく95%以上が、中央区の大通西11丁目から西15丁目くらいの間にいます。
 これはなぜかというと、裁判所が大通西12丁目にあるからです。

 法律事務所は裁判所の近辺に林立するというのが、日本全国の一般的な傾向です。
 というのも、弁護士が業務上もっとも足しげく通うことになるのが裁判所だからです。また、ほとんどの法律事務所では事務員さんが毎日「外回り」に出掛けています。その外回りでも裁判所に寄ります。そのため、裁判所から離れていればいるほど、業務に支障が生じることになるわけです。
 この傾向の唯一の例外が、東京です。これは、単純に東京の裁判所が千代田区霞が関にあり、その周辺に事務所を構えることは家賃的に困難至極だからでしょう。

 最近では、この傾向を逆手にとって、あえて弁護士がいない地域に事務所を構えて「地域密着」を謳うという例もあります。
 他方で、近所にいる弁護士には相談しづらいということで、当事務所にもわざわざ札幌市外からご相談に来られる方もいらっしゃいます。
 結局、どちらも一長一短といったところでしょうか。

 ちなみに、他業種の方から見ると、同業者が密集しているというのは極めて異常に見えるようです。
 「なぜ他の弁護士が大勢いるところにわざわざ事務所を構えたのか」というのは、弁護士をしていると言われることのある台詞の上位10位には入るような気がします。

この記事の執筆者

東京・大阪の二大都市で勤務弁護士の経験を積んだ後、
2008年から実務修習地の札幌で葛葉法律事務所を開設。
相続、離婚、交通事故、会社間の訴訟の取扱いが多め。
弁護士歴約20年。

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