相続で「弁護士に初めて相談」する方へ。費用倒れの不安、相談前に準備すべき最小限の資料、当日の流れを完全ガイド
「弁護士=敷居が高い」?その不安を解消します
「相続のことで悩んでいるけれど、弁護士に相談するのはハードルが高い…」
「費用が高そうで、かえって損をする(費用倒れになる)のではないか?」
「うまく説明できる自信がないし、何を準備していけばいいのか分からない」
人生で弁護士に相談する機会など、そう何度もあるものではありません。
初めて法律事務所の扉を叩くとき、緊張や不安を感じるのは当然のことです。
しかし、相続問題は放置すればするほど複雑化し、解決が難しくなるだけでなく、近年の法改正により「金銭的なペナルティ」や「権利の消滅」といったリスクが生じるようになりました。
この記事では、札幌で初めて弁護士への相談を検討されている方に向けて、皆さんが抱える「費用の不安」や「準備へのプレッシャー」を取り除き、安心して最初の一歩を踏み出していただくための完全ガイドをお届けします。
一番の心配事「費用倒れ」は起こるのか?
弁護士への相談をためらう最大の理由は、「弁護士費用が高額で、得られる遺産よりも費用の方が高くなってしまう(=費用倒れ)」という懸念ではないでしょうか。
正直にお答えします。「費用倒れ」のリスクはあります。
例えば、争っている遺産の額が数十万円程度であるのに対し、弁護士費用(着手金・報酬金)がそれ以上にかかってしまうようなケースです。
このような場合、経済的な損得だけで見れば、弁護士に依頼するメリットは薄いと言わざるを得ません。
誠実な弁護士は、依頼前に必ずシミュレーションします
だからこそ、初回相談が重要なのです。
私たち弁護士は、ご相談者様から状況を伺った上で、受任する前に必ず以下の判断を行います。
- 見込まれる経済的利益(獲得できそうな遺産額)はいくらか
- 弁護士費用は総額でいくらになるか(旧日弁連報酬基準などを参考にした明確な基準で算出)
- 結果として、ご相談者様の手元にプラスが残るか
もし、費用倒れになる可能性が高い場合は、「弁護士を入れると経済的に損をします」と正直にお伝えします。
その上で、ご自身で対応する方法や、他の解決策(裁判所の調停を自分で申し立てる方法など)をアドバイスさせていただきます。
無理に契約を勧めることは絶対にありませんので、ご安心ください。
「お金」以外のメリットも考慮しましょう
ただし、経済的にはトントン、あるいは多少マイナスであっても、以下のような理由で依頼される方もいらっしゃいます。
- 精神的負担からの解放 : 「相手(親族)と直接話すのが苦痛でたまらない」
- 時間の節約 : 「仕事が忙しくて手続きをする暇がない」
- 将来のトラブル予防 : 「今は少額でも、将来大きな問題になるのを防ぎたい」
「お金」と「心の平穏」、どちらを優先するかはご相談者様次第です。その点も含めて、初回相談で一緒に考えましょう。
【重要】放置は危険?相続には「3つのタイムリミット」があります
「親族と揉めたくない」「今は忙しい」と手続きを先送りにしていませんか?
実は、近年の法改正により、相続を放置すること自体に大きな法的・経済的リスクが生じるようになりました。法律事務所に相談すべき最大の理由は、これらの期限を管理し、権利を守ることにあります。
| 期限 | 内容 | リスク・罰則 |
| 知ってから1年以内 | 遺留分侵害額請求 (遺言で自分の取り分がなかった場合) | 1年を過ぎると時効により請求権が消滅し、取り戻せなくなります。「内容証明郵便」等で意思表示をする必要があります。 |
| 取得を知ってから3年以内 | 相続登記の申請義務 (不動産の名義変更) | 2024年4月義務化。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。過去の相続も対象です。 |
| 相続開始から10年以内 | 特別受益・寄与分の主張 (生前贈与や介護の考慮) | 2023年4月ルール化。10年を過ぎると、個別の事情(介護の貢献など)を考慮した遺産分割ができなくなります。 |
※特に「3年以内の登記義務」については、遺産分割の話がまとまらなくても「相続人申告登記」という制度を利用すれば、とりあえず過料を回避できます。こうした「期限を守るための回避策」のアドバイスも弁護士の重要な役割です。
【これだけでOK】相談前に準備すべき「最小限」の資料リスト
「完璧な資料を揃えないと怒られるのでは…」と心配される方がいらっしゃいますが、全くそんなことはありません。
ただし、法令遵守の観点から「ご本人確認書類」だけは必須となります。それ以外の資料は手書きのメモで構いません。
必須:これだけあれば相談できます
法律事務所では、日本弁護士連合会の規程(犯罪収益移転防止法の趣旨に基づくもの)により、ご相談者様の本人確認を厳格に行っております。安心・安全な相談の場を守るため、ご協力をお願いいたします。
| 項目 | 形式 | 内容 |
| ① 身分証明書(必須) | 原本 | 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、現住所と氏名が確認できる公的書類。 |
| ② 親族関係図 | 手書きのメモでOK | 亡くなった方を中心に、配偶者、子供、兄弟などが誰か分かる簡単な家系図。 |
| ③ 財産一覧 | 手書きのメモでOK | 「実家の土地・建物」「〇〇銀行の預金」など、分かっている範囲の財産リスト。 |
| ④ 時系列メモ | 手書きのメモでOK | 「いつ父が亡くなり」「いつ誰が何を言い出して」「現在どう揉めているか」の簡単な経緯。 |
任意:あればより具体的なアドバイスが可能です
もしお手元にあれば、以下の資料もご持参ください。(わざわざ役所で取ってくる必要はありません)
- 固定資産税の納税通知書 : 不動産の価値が分かります。
- 遺言書のコピー : 内容を確認するために重要です。
- 相手からの手紙・メール : トラブルの状況が客観的に分かります。
- 戸籍謄本 : すでに取得している場合のみで結構です。
【ポイント】
資料が足りない場合は、弁護士が今後の調査方法(戸籍の収集方法など)をご案内しますので、「手ぶら同然」でも気兼ねなくお越しください。
緊張しなくて大丈夫!法律事務所での「初回相談」5つのステップ
「法律事務所に行くと、具体的に何をするの?」
当日の流れをイメージできれば、緊張も和らぐはずです。一般的な初回相談の流れをご紹介します。
1. 予約
電話やウェブサイトから予約を入れます。
- 「相続の相談です」とお伝えください。
- 【重要】 その際、亡くなった方(被相続人)と、相手方(紛争相手となる親族等)のお名前をお伺いします。
- これは、当事務所がすでに相手方のご依頼を受けていないかを確認し、公正な立場を守るため(利益相反の確認)に必要な手続きです。秘密は厳守されますのでご安心ください。
2. 来所・受付
事務所にお越しいただき、受付を済ませます。身分証明書のご提示をお願いする場合があります。
個室の相談室へご案内しますので、プライバシーは完全に守られます。
3. ヒアリング(30分〜40分)
弁護士がご持参いただいたメモや資料を見ながら、お話を伺います。
うまく話そうとしなくて大丈夫です。弁護士が質問を重ねて、必要な情報を引き出します。
ご自身の希望(「とにかく早く終わらせたい」「絶対に許せない」など)も率直にお伝えください。
4. アドバイスと提案(10分〜20分)
- 法的な見通し(勝てる見込みがあるか、どれくらい取れそうか)
- 具体的な解決策(交渉、調停、審判など)
- 費用のお見積もり(明確な基準に基づいて算出)
これらを分かりやすくご説明します。
5. 終了・検討
その場で依頼を決める必要はありません。
アドバイスと見積書を持ち帰り、ご自宅でじっくり検討してください。
良い弁護士を見分ける3つのポイント
札幌には多くの法律事務所がありますが、相続問題は弁護士との相性が重要です。初回相談では、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 専門用語を使わずに説明してくれるか?難しい法律用語を並べ立てるのではなく、一般の方にも分かる言葉で噛み砕いて説明してくれる弁護士は、信頼できます。
- 費用の説明が明確か?「やってみないと分からない」ではなく、「着手金は〇円、報酬金は〇%」と明確な基準を示してくれるか確認しましょう。
- 「話を聴く姿勢」があるか?一方的に話すのではなく、あなたの不安や希望に耳を傾け、共感してくれる弁護士こそ、相続という感情的な対立を含む問題の解決に適しています。
まとめ:相談は「心の重荷」を下ろす場所
弁護士への初回相談は、依頼を決める場所ではありません。
「自分の悩みは、法的にどう解決できるのか」を知り、肩の荷を下ろすための場所です。
- 費用倒れが心配なら、その場で試算してもらう。
- 資料がなくても、メモ書きと身分証だけで話を聞きに行く。
- 法改正による期限のリスクがないか確認する。
まずはそのくらいの軽い気持ちで、相談にお越しください。
「相談してよかった」「先が見えて安心した」と言っていただくことが、私たち弁護士にとって何よりの喜びです。
この記事で解説した内容は、あくまで一般的なケースです。
個別の状況によっては、より複雑な手続きや判断が必要になることも少なくありません。
もし少しでもご不安な点があれば、お一人で悩まずに、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
葛葉法律事務所では、初回相談を無料で承っております。
あなたのお悩みに寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。
監修:葛葉法律事務所
