札幌の弁護士に相続の無料相談をする際の注意点

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相続の法律相談では何が相談できる?

一口に遺産相続の問題と言っても色々とあります。
その中で、弁護士に相談する場合は、主に以下のようなケースになります。
・遺産分割で揉めているケース
・遺産の調査を依頼したいケース
・遺言書を作成したいケース
・相続手続の代行を依頼したいケース
・相続放棄を依頼したいケース

反対に、弁護士に相談するのに向いていないケースは、
・相続税の相談
・不動産の相続登記の相談
になります。

相続税の相談については、税理士に相談するのが良いでしょう。
とはいえ、そもそも相続税が発生する方は10人に1人程度と言われています。
なぜなら、遺産の総額が基礎控除の範囲内であれば原則として相続税はかからないためです。
したがって、相続が発生したからといって必ずしも相続税がかかり税理士に相談する必要があるというわけではありません。
相続税の基礎控除についてはこちらのリンク先をご参照ください。

不動産の相続登記の相談については、司法書士に相談するのが良いでしょう。
もし遺産分割について全く揉めていない場合には、最初から司法書士に相談すれば、相続登記用の遺産分割協議書等も作成してもらえるので、弁護士に相談する必要はありません。
しかし、もし遺産分割について揉めている場合、例えば相続人の一部が遺産の不動産を独占しようとしているとか、遺産の不動産に居住している相続人が当該不動産の単独相続を希望しているというような場合には、相続登記の前提となる遺産分割で協議や調停が必要となるので、最初から弁護士に相談するのが望ましいです。

相続の法律相談は無料でできるの?

法律相談の費用は30分毎に5000円(税別)というのが一般的な相場です。
ただ、法律事務所によっては、相続の法律相談は無料で実施したり、あるいは、初回無料で実施している事務所もあります。
初回無料の場合も、初回というのは法律相談の時間が何十分までというような決め方をしている事務所もあります。
したがって、法律相談が無料なのか、無料なのは初回だけなのかについて、きちんと調べる必要があります。

札幌では、札幌弁護士会が主催する法律相談センターがあり、そこでは無料で相続の法律相談を実施しています。
しかし、法律相談センターの弁護士は当番制です。
したがって、2回目に法律相談に行ったとき、前回相談した弁護士とは別の弁護士が法律相談を担当します。
そうすると、1回目の法律相談の内容が十分に引き継がれておらず、満足な法律相談ができない恐れがあります。
法律事務所への法律相談であれば、2回目以降の法律相談でも基本的には同じ弁護士が担当することが一般的でしょう。

実のある法律相談にするために必要なこと

法律相談の時間は通例は30~60分程度で限られています。
限られた時間の中で有意義に法律相談を進めるためには、関連する資料を持参するのが必要不可欠です。
弁護士に相続の法律相談する際に持参すると良いものとしては、以下のようなものになります。

・相続人の範囲(メモ書き程度の簡単な家系図で可)
・遺産の内容が分かる資料(通帳、固定資産評価書など)
・遺言書(もし遺言書があれば)
・既に他の相続人とやり取りをしている場合はその資料(手紙、メールなど)


この記事の執筆者

東京・大阪の二大都市で勤務弁護士の経験を積んだ後、
2008年から実務修習地の札幌で葛葉法律事務所を開設。
相続、離婚、交通事故、会社間の訴訟の取扱いが多め。
弁護士歴約20年。

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