相続は弁護士と司法書士のどっちに相談・依頼するべきか?

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相続のプロとしての弁護士と司法書士の違い

弁護士と司法書士とでは、専門家としての役割が異なります。
簡単に言うと次のようになります。

・弁護士は、法律問題の紛争の解決の専門家です。
・司法書士は、不動産などの登記手続の専門家です。

相続手続における弁護士と司法書士の違い

相続人が複数いる場合、相続手続をするには先に遺産分割を決める必要があります。
遺産分割の決め方は、協議、調停、審判の3通りとなります。
これらについて法的に代理人となることができるのは弁護士だけです。
特に調停や審判は家庭裁判所での手続となりますが、司法書士が調停や審判で代理人となって活動することはできません。

他方、登記手続は、司法書士だけでなく弁護士がすることも可能です。
ただ、一般的に弁護士は登記業務を行っていないので、実務経験のある司法書士に依頼するのが通例です。

相続の依頼を考える際、弁護士と司法書士のどちらを選ぶべきかの判断基準

弁護士と司法書士のどちらを選ぶべきか、その簡単な判断基準をお教えします。

・相続で揉めている場合は、弁護士に相談する。
・相続で揉めていない+遺産に不動産がある場合は、司法書士に相談する。

連絡が取れない相続人がいる、取り分で揉めている、不動産の相続が決められないなどと言った場合には、弁護士を利用する必要があります。

遺産の分割方法について相続人間で合意ができており、後は単に相続手続をするだけという場合には、司法書士を利用するのが良いでしょう。
ただし、遺産に不動産がなくて預貯金だけの場合は、金融機関で普通に相続手続ができるので司法書士を利用する必要はありません。


この記事の執筆者

東京・大阪の二大都市で勤務弁護士の経験を積んだ後、
2008年から実務修習地の札幌で葛葉法律事務所を開設。
相続、離婚、交通事故、会社間の訴訟の取扱いが多め。
弁護士歴約20年。

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